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展開と目標

 SORDの展開と目標

SORDプロジェクトのこれまで

先のページで述べたとおり、我々はJSSの正式な会員に対して、過去10年間に彼らの行った社会調査についてアンケートを依頼しました。そして、その回答から社会調査における調査概略のデータベースを作りました。1144例に及ぶ、このデータベースは、JSSメンバーによって行われた社会調査研究の20-40%をカバーします。これまで、日本で実施されている社会調査のデータが調査者の手元に置かれていて、「その実態の把握が困難」「再分析をしたくても素データの入手が困難」と指摘されてきた問題に対して、解決の道筋をつけたといえます。 日社DB作成作業を通じてSORDが挙げた成果は、3点に整理できます。 

1.データが蓄積されることそれ自体がもつ集積効果と広報効果を証明できたこと。またデータをめぐるコミュニケーションの活発 化が、社会学者自身の意識を変え、生産者と利用者との相互不信の払拭につなげたこと。 

2.「調査の調査」(SORDの用語では「調査概要情報」)によって社会調査の趨勢が理解できること。 

3.データの整理加工、Webによる情報発信ノウハウが蓄積されたこと、です。


しかし、これら3点それぞれの成果は、新たな課題を浮き彫りにするものでもありました。 

1.単なるデータベースでは利用のされ方に限界がある。先行研究のレビューとしても、まだまだ利用されていないため、似たよう な調査が濫発される傾向に歯止めがかけられない。
 
2.項目の欠落や蓄積のばらつき、異なる質のデータの混在などにより、信頼できるデータになりきっていない。やはり、データ・エ ディティング作業が、新しいデータセットが入荷するたびに行われる必要がある。また、調査会社への委託の有無など、調査項 目に取り入れるべき要素も多い。 

3.調査全体の趨勢を逐次報告できるようなワークフローを設計したり、ネット・コミュニティを維持するための努力を加速したり、また目的別に動線を整理したサイトに作り替えるなど、WWWサイトを含めて情報デザインを根本的に再構築する必要がある。

 さらに、 

4.自己申告型であることの限界。現状では、質的にかなり異なるデータセットが混入し、フィルタリングやエディティングがうまく機  能していない。さらに、忙しい人、多くの生産成果を挙げている人が申告しないことも多いので、申告のインセンティブや働きかけが必要 とされている。さらに、過去の調査とか、死去したり引退したりした人の調査はデータベース化されないので、過去の文献から、調査を拾 い上げるような作業も必要となりつつある。


  こうした課題意識を持っていたところ、2002年7月、日本社会学会の「社会調査士資格に関する特別委員会」から、2000年度以降の日本社会学会会員による調査について、SORDと同様のデータベースを学会として作成したい旨の申し入れがありました(直井優研究代表、研究成果公開促進費、課題番号158052)。
これをめぐってSORD内部で何回か話し合いを持ちましたが、結局、次のような結論に達しました。無意味な競合を行うのは、学会の発展を考える上で本意ではない。ただ、SORDが先駆者であることに、つねに言及されるように留意していただく、ということです。また、残された課題として以下のような事柄を伝えました。(1)WWWページの上で、日本社会学会との関係をどうするか。データの編集加工、発信提示の分担をどうするかは調整の必要があること。(2)1999以前調査の管理と補充をどうするか、については未定であること、などである。これらの点を調整するという難題は残るといえ、SORDの基本的なコンセプトはより大きな組織に引き継がれることになると考えています。なお、上記の日本社会学会の準備状況の一部はすでに質問紙法にもとづく社会調査データベースSRDQとしてweb上で公開されています。 この事態は、SORDの存在意義が問われる局面でしたが、新たなチャンスと捉えることもできます。われわれは、活動を収束させるのではなく新しい方針のもとに経験を活かしていく道を選びました。すなわち、北海道の社会調査に改めて光をあて、地方分散型データアーカイブの一翼を担うということです。